「鎌足桜」は、遅咲きの八重桜で4月中旬から下旬にかけて咲きます。 開花後、八分咲きほどになると、雌しべが中花に変化し二段咲きとなり、元花と中花とが一体となって、よりー層優雅 な花弁となります。
そのため、開花期間も長く楽しむことができます。
また、雌しべの先端が、鎌状に曲がっていることから、中臣鎌子(藤原鎌足公)誕生伝説の由縁ともなっています。
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「鎌足桜」の祖株は、木更津市矢那小字山下にある旧家で永年育てられてきました。昭和37年頃、枯死寸前で「鎌足桜」が絶えてしまうことを心配した地元に住む鈴木治作氏が、豊中市に住む尾高正翁氏の協力を得て、京都の桜づくりの名人として有名な第15代佐野藤右衛門氏に、新芽を切りって京都まで持参し、苗木の育成をお願いしました。
10年余りの歳月を費やし、昭和47年に2本、48年に10本の苗木が里帰りし、高蔵寺・徳蔵寺・鎌足小学校・太田山公園などに植樹されましたが、その多くは枯れ絶えてしまいました。
その後、地元でも接木による苗木の育成を手がける人が現れ、鎌足公民館や鎌足中学校、矢那川ダム公園など、市内の各地にも植樹されるようになりました。
「鎌足桜」は、実ができないことや、挿し木による苗木の育成が難しいため、接木による苗木育成が行われてきました。この接木による方法でも、活着する確率は低く、苗木を多量に育成することが難しいと言われています。また、台木の性質が現れ、本来の「鎌足桜」ではない性質の桜が出来ることがあります。
木更津市は市の指定文化財でもある「鎌足桜」の祖株の性質を受け継いだ苗木を確保していくために、平成21年に、光独立栄養培養による「容器内挿し木技術」を開発した民間会社に委託して、バイオ技術を用いた挿し木による増殖試験を行いました。
その結果、平成22年2月に93本の苗木が届き、地元の造園家によって大切に育てられました。その後、順調に育った46本の苗木は、平成27年3月に鎌足さくら公園などに植樹されています。
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